姉妹校 パスコベール女子校の受け入れ

 令和5年9月2日(土)~9日(土)まで、オーストラリア・メルボルンにある姉妹校 パスコベール女子校の訪問団を受け入れました。パスコベール女子校との姉妹校提携は今年度で30年を迎えます。

 14名のパスコベール校の生徒は東高ホストシスターの家庭に宿泊しました。生徒たちは交流を通して、異文化理解や英語学習について、より意欲的に取り組みたいと実感したようです。

 来年度は東高生徒がパスコベール女子校を訪問する予定です。

 以下、ホストファミリーとして受け入れをした、生徒の感想です。

「シスターを受け入れて気づいたこと」
 私は一年時に文通交流、三年時にホストファミリーとしてパスコベールの生徒を受け入れました。パスコの子達は、私のたどたどしい英語も真剣に聞いて理解しようとしてくれました。そのため積極的に話しかけることができ、お互いの事を知ることができました。一週間という短い時間でしたが、一緒に時間を過ごすことで、様々なことに気づきました。
 私はパスコの子達に会うまで、日常生活の中で、外国人と交流する機会がほとんどなかったため、少し身構えていました。しかし、実際に会ってみると想像していた日々とは全く異なっていました。私が受け入れた子とは、毎晩ゲームをしたり、様々な場所に出かけたりしましたが、ふとした瞬間に、互いに笑い合っているタイミングが同じだったり、美味しいものを食べている時に幸せな気持ちになったり、別れの時に悲しい、寂しいと思う気持ちが同じであったりと、同じ時に同じ気持ちを共有していることに気づきました。コミュニケーションをとる言語が違うだけで、他は何も変わらない、同じ人間なんだなと思い、拍子抜けしました。その後から、英語を話さなきゃという意識をせずに、自然と普段家族や友達と話す感じで過ごすことができました。気負う必要がなくなったことで、より仲を深めることができ、さらには、英語への苦手意識も薄れてきました。今現在も、彼女とは定期的に連絡を取り合っています。お別れする際に、今度は私がオーストラリアまで彼女に会いに行く、と約束をしたので、このまま英語にも磨きをかけつつ、卒業後はアルバイトをして貯金をし、会いに行きたいと思っています。
 今回の経験から、新しい世界を見せてくれる新たな家族ができたことに加え、苦手意識のあった英語にも勉強意欲が湧いたり、自分や日本の価値観とは異なる価値観を知ることができたり、自分の文化についてもまだまだ知らないことがあるということなども知ることができました。

「文化の違い」
 私は今回初めてホストシスターとして、パスコベール女子校の子を迎えました。また5年ぶりとのことで、経験のある先輩がいない中多少の緊張はあったものの、非常に楽しく9日間を終えることができました。
 私が迎えたリリーは、パスコベールで日本語を学んでいるとのことで、日常会話はできるだけ分かりやすい日本語で話すことを心掛けました。リリーは日本語と英語を時折混ぜて、様々なことを私に教えてくれました。日本の景色はとても綺麗なこと、日本人はとてもシャイだといった日本だけに留まっていては気付かなかったようなことや、オーストラリアの歴史や生活文化、食文化など、事前に調べたことよりもリアルな事実を知ることができました。リリーは日本語が伝わっているか、私は英語が伝わっているかが非常に不安でしたが、初めてリリーと顔を合わせた時と最後の京都旅行の時と比べるとお互い確実に上手に喋れるようになったと思います。日本は座学がメインですが、実際に話すことの重要性を肌で感じました。
 私は、外国人は全員陽気で元気なイメージを持っていましたが、リリーは内気な女の子で、最初は会話が続かなくて無言の時間がある時もありました。しかし、徐々に会話を交わすにつれて打ち解けていき、時に笑い合い時に愚痴を言ったりと今では最高の友達です。パスコベールの子の中には私の思っていた外国人像と一致する人も居ましたが、いかに私が偏見を持っていたかを実感しました。百聞は一見にしかず、実際に関わることの大切さを学びました。
 私とリリーはギターとゲームが好きだという共通点があり、学校が終わった後に帰ってから2人でゲームをしたり、好きな曲を教えあったり、ギターの弾き語りを一緒にしたりと平日でも楽しい日々を過ごしました。また、リリーは箸を使うことができたので理由を聞いてみると、オーストラリアにはお寿司屋さんがいくつかあるようで驚きました。オーストラリアで日本のゲームやアニメ、食文化が有名なことを知り、少し嬉しく誇らしい気持ちになりました。ある日は、一緒に課題をしながらお喋りをする時もありました。日本の文字や日本の伝統的な服について教えたり、オーストラリアの先住民族や植民地、オーストラリアの歴史などを詳しく教えてもらったりととても興味深かったです。日本は非常に歴史が長いですが、オーストラリアの歴史はとても短く比較的新しい国なのだそうです。そのため教科書はきっととても薄いと笑いながら言っていました。またリリーは日本語はとても難しいといつも嘆いていましたが、特に漢字の読み方や書き方に苦戦していました。例えば、豊田の豊でも沢山読み方があることを伝えると頭を抱えていました。しかし日本語は面白いと笑顔で言ってくれました。
 たった9日間でしたが、リリーと過ごした日はかけがえのないものです。リリーと関わったことで改めて日本を好きになったし、オーストラリアに関心を持ちました。次は私がオーストラリアに行ってみたいと思いました。

この様子は、夢風第142号に掲載されています。御覧ください。