産業社会と人間(1年生)

概要

 1年生の「産業社会と人間」では、実際に社会で活躍されている方の講話を聞いたり、企業や大学を見学したり、理想とする人物の姿を思い浮かべて自分がどう生きるべきかを考えたりしながら、「自分探し」をします。最終的には、これらの学習の集大成として「ライフプラン」を作成し、生徒同士で発表し合い、更に自分の考えを深めていきます。授業の大まかな流れは以下の通りです。

【1学期】 進路適性検査、企業・キャンパス見学、科目選択ガイダンス、出前講座など
【2学期】 SDGsを知る新聞づくり、地域環境研究、出前講座、理想とする人物研究など
【3学期】 ライフプラン、異文化理解研究(国際理解)、総合発表会など

企業・キャンパス見学(1学期)

「企業・キャンパス見学」は、1年生の「産業社会と人間」の授業で行う校外学習です。働くとはどういうことか、大学で学ぶとはどういうことかを知るために、クラス単位で企業と大学をそれぞれ一か所ずつ見学します。

上 花王株式会社訪問の様子
中 愛知工業大学八草キャンパス訪問の様子
下 愛知淑徳大学長久手キャンパス訪問の様子

  企業見学では、現場を見学させていただくことで「働く」ことの意味を考えるきっかけになりました。モノづくりに対する作り手の思いを知ることができ、見学後、たくさんの生徒が自分から手を挙げて質問する姿が見受けられました。
 生徒の感想には、「モノを1つ作るのには、たくさんの研究・工夫などが必要だと気づいた。高校の勉強も同じで、ただ勉強をすればいいのではなく、自分に合った勉強方法を工夫して取り組むことが大切だと思った。私ももっと成長して、社会に役立つ人間になれるように頑張りたい。」「普段使っている製品は花王のモノが多くて驚きました。花王の製品は時代の変化に合わせて作られており、アタックの変化を見ると本当に消費者視点でモノを作っている会社なんだと思いました。消費者が不快にならないように、様々な工夫が行われていて凄いと思いました。私も学校生活において人を思いやれる行動をしたいです。」などあり、楽しく分かりやすい説明を受けたことに感謝し、貴重な体験となったことを述べていました。
 大学見学では、学部・学科の研究内容を教えていただいたり、学生にキャンパスを案内してもらったりして、生徒は大いに刺激を受けることができました。いくつかの大学では、豊田東高校の先輩も登場しました。特に、環境工学系の研究室で学ぶ、”リケジョ”の登場に、女子の多い東高生徒たちは刺激を受けていました。彼女はかつて、本校でSPP(サイエンス・パートナーシップ・プログラム)に参加したことがきっかけで、その分野の研究室を選択したそうです。
 大学を訪問した生徒たちは、「自分が行きたい大学より、自分が学びたい学部を選ぶという言葉が印象に残りました。」「進路について考えさせられる良い機会となり、視野が広がった。」などの感想を述べていました。また、学科によってたくさんの建物や施設があって、スケールの大きさに驚いた生徒、丁寧な説明が分かりやすく将来のことを考えるきっかけとなった生徒が多く見受けられました。
  企業・キャンパス見学において、実際に自分が見た・聞いた体験は、生徒たちが進路を考える上で大きな示唆を与えてくれると思います。この経験を振り返り、シェアするために、「産業社会と人間」の授業内でまとめ、クラス発表及び学年発表を行い、進路選択に生かしていきます。

訪問させていただいた企業及び見学させていただいた大学

訪問大学訪問企業
愛知県立大学花王株式会社 豊橋工場
名城大学株式会社LIXIL 知多工場
愛知工業大学アイシンAW株式会社
中部大学愛知県赤十字血液センター
愛知淑徳大学雪印メグミルク豊橋工場
中京大学イビデン株式会社 衣浦事業場

 これらの学習以外にも、夏休み課題として職業インタビューとオープンキャンパス参加があります。今度は自分でインタビューしたい職業、見学したい大学を決め、取材を行い、報告書を作成します。夏休み明けの授業で報告会を行うので、より多くの職業・大学についての情報を得ることができます。

SDGsを知る新聞作り(2学期)

社会に目を向けることで、これまで興味がなかったものに興味がわき、自分の新たな可能性と出会うことがあります。夢を実現させるためには、世の中を知り、現実的なものの見方・考え方を培うことが大切です。この学習は自分の進路選択・進路実現のきっかけを作るための学習です。

日本や世界で課題となっているSDGsに関わる事柄を取材し、グループごとに取材した情報を模造紙へ新聞の形式で整理し、発表を行います。

ライフプラン(3学期)

 1年間「産業社会と人間」で学習してきた内容のまとめとして、10年後の自分の目標を設定し、それを実現するまでの道筋(ライフプラン)を立てます。それをクラスごとに発表し、クラス代表に選ばれた生徒はスライドを作成し、学年発表会にて自分のライフプランのプレゼンテーションを行います。学年代表に選ばれた生徒は、「総合発表会」にて全校生徒の前で自分のライフプランのプレゼンテーションを行います。

・1・2年生の発表を見て、明確な夢を持っていなかった自分と、もっと向き合って考えていたら、違う自分もあったのかなと感じた。(3年生)
・一番印象に残っているのはライフプラン。どの子も目的意識を高く持っていて、感心すると同時になんだか悔しくなった。誇れるものを持っていないと人生にならないなと思った。毎日を抜け殻のように生きる自分にとって、総合発表会は良い薬になった。これから少しずつじぶんの強みになることに取り組んでいきたいと思う。(2年生)
・1・2年の発表を見て、初心に戻って頑張ろうと思うことができた。(3年生)
・1年生のライフプランの発表は、自分の夢と全然違う夢でも刺激されるので、「自分もがんばらなきゃ」とか「このままだと自分の夢を叶えられない」と思わされました。どうして東高を選び入学したのかをもう一度考える機会ができました。(2年生)
・学年代表の人たちのようにしっかりと夢を見つけて計画的に高校生活を送りたいと思った。(1年生)
・同じ1年生なのに全校の前で堂々とプレゼンをしているのを見て、自分も見習わなくてはいけないと思いました。・東高の素晴らしさ、東高にきてよかったと思った。(1年生)
・1年生の発表では、1年生がどれくらいライフプランについて考えているか、産業社会と人間を念入りに授業しているかが、伝わったと思う。(1年生)

異文化理解研究(3学期)

 修学旅行を次年度に控え、グローバルな視野を身につけるための学習で、旅行先であるマ台湾の下調べ学習を行います。

 台湾のことを知るために、各クラスで分担して「自然・地理」「民族・宗教」「生活・教育」「言語・芸術」「歴史・文化」「台湾見所マップ」の6テーマについて調べ学習を行い、台湾ガイドブックを作ります。完成した作品は各クラスでグループごとに発表します。それぞれのテーマの学年最優秀作品は修学旅行のしおりに掲載されます。