令和7年9月8日(月)、1年生の「産業社会と人間」の「社会探究」の単元の学びの一環として、外部講師をお招きしての講座を実施しました。SDGsや社会課題について、ネットなどで見聞きするだけでなく、解決に取り組む地域の活動諸団体から直接話を聞いて「他人ごとではなく自分ごと」としてとらえていくことをねらいとしています。生徒は、環境、福祉・健康、国際理解、エネルギー、産業・経済、地域振興、防災、子ども・教育の8つのテーマの中から1つを選び、関連の深い活動をしている講師の講座に参加しました。



講座を担当していただいた団体は次の通りです。
- とよたエコ人プロジェクト(豊田市環境学習施設エコット)
- 豊田市矢作川研究所
- 有限会社ナカネセラム
- おいでんエネルギー株式会社
- ゆるっとほけんしつ夢カフェ
- 自然農福の力
- hanairo+(ハナイロプラス)
- 一般社団法人あそびとくらしとまなびの家ちゃぽっと
- 株式会社スマイリング ソーシャルクリエイト部
- 株式会社スマイリング U-18GLOW UP事業部
- 豊田市災害ボランティアコーディネーター連絡会
- 一般社団法人JUNTOS
- NPO法人トルシーダ





以下、生徒の感想です。
とよたエコ人プロジェクト(豊田市環境学習施設エコット)
私たちが作る私たちの学習施設」という言葉が心に残りました。楽しく学ぶことができる体験型ゲームや交流会、企業との連携プロジェクトなどを行っていたり、市民ボランティアが関わることができていたりしてすごいと思いました。また、ドーナツ会議という自分の意見を伝えることができる機会もありました。実際に今回ドーナツ会議をやってもらって参加して、自分が考えたことが実際にかなうかもしれないと思って楽しかったし、市民としてもこの会議に参加できてうれしかったです。
豊田市矢作川研究所
自然のものを使わないと生きていけない」この言葉がとても印象的でした。確かに人間は自然の中のあらゆるものを使わないと生活をするどころか生きることすらままならないからです。川がなければ水も使えず、木がなければ家もないし、発電することもできません。だからこそ、講師の方が最後におっしゃった「どうやって自然と付き合っていくか」をよく考えることが必要になります。自然は、良いことだけでなく、地震や洪水などの災害ももたらします。それらとも付き合っていくならば、常に備えておくことが必要になると考えました。今日のお話を聞いて、自然との付き合い方を考えていくことが大切だと改めて感じました。
有限会社ナカネセラム
講座を聞いて、普段何気なく見ているタイルや建材の裏に、たくさんの工夫や努力があることを知りました。特に「あるものを探してないものを作る」という言葉が印象に残りました。身近にある資源や廃棄物をただのゴミにせず、新しい価値を生み出していく姿勢は、これからの社会にとても大切だと思います。また豊田市で採れる鉱物や産業廃棄物を再利用することで、地域全体が資源を循環させる仕組みを作ろうとしていることを知り、自分たちの住んでいる場所にも可能性が広がっていると感じました。
おいでんエネルギー株式会社
講座を聞いて、再生可能エネルギーはこれからの社会に欠かせないものだと強く感じた。普段の生活の中で節電や省エネを意識することが、自分にできる小さな取り組みだと思った。「自分だけがやっても変わらない」「誰かが頑張ればいい」ではなく、一人一人意識を持つことで社会に貢献できると思う。何のために働くかは人それぞれだが、全て「幸せになるため」が当たり前のようだが心に強く残った。今回学んだことを広めるのも一つの社会貢献になると感じた。
ゆるっとほけんしつ夢カフェ
「温かな気持ちの循環」という言葉を聞いて、これは私たちも行動できると感じました。たとえば友達の相談に乗る、困っている人を助ける、そうすることで誰かが安心できるような場所を作りたいです。人につなげるということはなかなか難しいけれど、自分が友達の心に寄り添うことで相手の気持ちが軽くなれば、相手も「私は相談したら心が落ち着いた、だから私も人を助けよう」という気持ちになるのではないかと感じました。また、子ども食堂での活動を聞いて、自分の将来の夢と重なるところがありました。最近やっと自分のなりたいものが固まってきたので、この講座で学んだ子ども支援の方法、子どもに寄り添う心を忘れず、これからの進路につなげていきたいと思いました。
自然農福の力
今日の講座を聞いて農業に興味を持ちました。自然の力を使い、子どもたちや年配の方たちとともに農業をする素晴らしさを感じました。そして、農福連携によって、障がいのある人も地域の方々も子どもも巻き込んでいることに感心しました。また、農業には肥料を使わない自然栽培があることにも驚きました。デメリットもあるけれど、メリットはすばらしいものでした。採れたてを食べられて甘く、こどもが安心して食べられる野菜。多くの人に野菜を食べてもらえるなと思いました。また、行動を先にする大切さも教えてもらいました。小さいことでも自分を生かし、本当の自分を見つけたいです。
hanairo+(ハナイロプラス)
初めてフラワーロスという深刻な問題があることと、花のレスキューという活動を知りました。今日の講座では、フラワーロスの解決のために「花×○○」というグループワークを行い、1つのことを1つだけ行うのではなく、何かと掛け合わせることで2つの課題を一緒に解決できたり、そのものの良さを際立たせたり、新しい発見をすることができるとわかりました。これからは、何かの問題を1つだけの視点で考えるのではなく、視点を複数にすることでたくさんの発見をしてアイデアを出し、ものごとを考えて解決できるようにしていきたいと思いました。
あそびとくらしとまなびの家ちゃぽっと
自分がチャレンジしてみようと思ったら、まず動いてみること。1つのことを客観的に、多方面から考えられていて、私も積極的に行動してみたり、周りをよく見てたくさんの人に笑顔になってもらえることがしたいと思いました。例えば、認知症の年配の方が赤ちゃんと触れ合うことで楽しい時間を過ごしてもらい、それが赤ちゃんのお母さんのランチの時間になっていることなど、年齢関係なく幸せを広げているところが心に残りました。今回の講座では、私たちも現状の課題についてアイデアを出し合ったり、自分が好きなこととSDGsを組み合わせてみたりと、今までにない活動をすることができました。
スマイリング ソーシャルクリエイト部
スマイリングさんが新しく始めた複合福祉施設スープタウンでは、いろいろな課題を解決するために、マイナスからゼロにすることを考えるのではなく、さらにプラスに持っていくことが大事だと考えているそうです。私は、「課題」を問題としてとらえるのではなくて、未来の目標としてとらえることが大切なのかなと考えました。なので看護師という夢を「看護師になる!」というだけで終わらせないで、その先、看護師になった後の目標も考えることが大事だと思いました。今回スープ会議を少し体験させてもらいました。小さなスープ鍋に1つの課題が書かれた紙が入っていて、それをみんなに回して、自分のところに回ってきたら、スープの具材のイラストのカードに解決するアイデアを書くという方法です。こういうふうに楽しく課題解決を考えると、よいアイデアも思いつくんだと思いました。
スマイリング U-18GLOW UP事業部
今回の講座で特に印象に残ったのは、講師の方が「不登校だった娘の気持ちを理解できていなかった」と気づき、それからアドボケイトという立場で子どもの気持ちを代わりに伝えるという活動を始めたお話ししてくれたことです。私なら、自分の間違いに気づいてもそこで終わってしまうと思います。でも、講師の方はそれをきっかけとして、自分の気持ちを伝えられない子どもを守るにはどうしたらいいのかを考えて、行動に移すというところがすごいなと思いました。きっかけや間違いを無駄にせず、そこからいろいろなことにつなげていける考えや、行動力を見習ってきたいです。それが、仕事や人生を豊かにすることにつながればいいなと思います。
豊田市災害ボランティアコーディネーター連絡会
被災地を助けたいと思って講習会に行って座学で学ぶだけでは助けられない。実際に体験してみたり、コミュニティーで活動しない限りは何もできていないのだと思った。自分はもともと防災というテーマに関心があり、さまざまな新聞記事を見たり、防災グッズの点検をしたり、中学生の時のボランティアで防災訓練などをしたが、豊田市災害ボランティアコーディネーター連絡会のような活動にも参加し、「一人で」ではなく「多くの人と共有して」学び、一人の企画力ではなかなかできないことを体験するのもいいなと持った。まずは自分でもできる身近な勉強や、災害時のイメージトレーニング、地域のボランティアなどに積極的に参加したい。
JUNTOS
JUNTOSは、外国人にむけてのさまざまな活動を行っており、こんな活動までできるんだと驚きました。保見団地は外国人が多いから悪いイメージを持たれがちということを聞いて、そういうことはなくしていかなければと感じました。言語が違ってもその人を理解することはできないことはないと思うからです。おそらく、これは保見団地のみの問題ではないと思うので、全国でそのような差別が行われないようになったらいいなと思います。今後外国の方と接する機会は多くなってくると思います。そのような時には先入観や偏見を持たずに接していきたいです。また、最後に教えていただいた「隣の人を大切に思い、その人を知ろうとすること」を大切にしていきたいと思います。
トルシーダ
グループワークで「外国人とは何か」と話し合いました。最初私は「外国から来た人」と発言しましたが、後で紹介された「親はブラジル人だが日本で生まれ育ち、日本語しか話せない子ども」の話を聞き、自分が単純すぎたと気づきました。さらにその子どもの写真を見たとき「外国人」だと思ってしまいました。「外国人とは何か」という問いに正解はないとおっしゃっていたのですが、自分の考えは間違っていたと思います。外見や言葉といった表面的な部分だけで人を判断してはいけないと強く感じました。それは友人関係でもいえることだと思います。これからは相手の気持ちを尊重し、多様な視点から人を理解する姿勢を大切にしたいです。
生徒たちは今回の講座で学んだことを参考に、社会課題やその背景、解決への取り組みなどを調べて模造紙にまとめ、ポスターセッションを行って学びを共有する予定です。
お忙しい中講座を実施してくださった講師のみなさま、本当にありがとうございました。