夏休み期間の10日間、医療・相談・保育などの総合的な療育施設である豊田市こども発達センター「ひまわり」と「こどもひろば」で交流活動・ボランティア活動が行われました。この活動は、今年度で6年目となります。
参加したのは、保育・福祉・看護・特別支援教育などの進路を希望する生徒54名です。発達に支援が必要な子どもや、その支援の現状を学んで理解を深め、また、センターの役割や職員の仕事を知り、自身の進路を考える一助となりました。
活動後、希望生徒は診療部門である「のぞみ診療所」の見学もさせていただきました。看護師さんの案内で、日ごろ見ることの少ない小児歯科や言語聴覚療法・心理療法などを行う部屋を見せていただき、特に福祉・健康プランや看護プランの生徒は興味深く説明を聞いていました。
以下、参加した生徒の感想です。
発達センターでの活動を通して、改めて職場で働く人たちはすごいと感じました。子どもたち一人一人の顔と名前、どんな性格で何をするのが好きか、どう対応するのが良いのかなど多くのことを把握しながらお仕事をされていることを、とても尊敬しました。こどもひろばでは、0~2歳とまだ意思疎通も難しい小さな子どもたちの笑顔を引き出していて、驚きました。また、急に泣き出してしまった子への臨機応変な対応力、おもちゃを適切に片づけて子どもたちが安全に遊びやすくするための状況判断など、幅広く目を配ることの重要性を知ることができました。ひまわりでは、最初自分自身の緊張がすごかったのですが、楽しそうに話しかけてくれる子やにこにこと元気いっぱいの先生たちのおかげで楽しく活動することができ、より自分を深めることができたと思います。(看護プラン)
私は小さな子どもが身近にいなかったので、今回はとても貴重な経験になりました。最初はすごく緊張したし、何をすればいいのかわからなくておどおどしてしまっていたのですが、だんだん自分自身も楽しく、一緒に遊ぶことができました。私が一緒にいた子は生後4か月だと他のボランティアさんから聞いて驚きました。言葉はまだわからないけど、音の出るおもちゃを鳴らしたり持たせてあげたりするととても喜んでかわいかったです。また会いたいと思いました。また、お迎えに来たお母さんたちが「ありがとう」と言ってくださって、こちら側がお礼を言いたいぐらいなのに、逆に感謝されてすごくうれしかったです。このような場所と活動があることを今まで知らなかったので、他にもどのような支援があるのか知りたいと思ったし、私は将来看護師になりたいと思っているので、今日感じたことを生かせるようになりたいと思いました。(看護プラン)
とてもいい体験になり、障がい者とか健常者とか関係ないと思いました。一人の子どもと手洗いをしていると、隣のクラスの先生に「あなたは子ども一人ひとりの良さや特徴を生かしてあげることができて、かわいがることができるね」と言われ、ほめてもらったのが嬉しかったです。今回参加できてよかったと改めて思いました。また、福祉・健康プランの授業で学んだこと(障がい者の特性など)を実際に見て、障がいとかではなくて個性として見ることもできると思いました。私にいっしょうけんめい何かを伝えようとしてくれたり、表情や体を使って表してくれたり、子どもも伝わった時は嬉しかったと思うだろうし、私も理解できて対応できた時はとても嬉しかったです。子どもも頑張って伝えようとしてくれるから、私たちもその子のために常に100%で対応する必要があると思いました。また、初めて装具を見たり触ったりできてすごいなと思い、こんな仕組みになっているんだと思いました。このような仕事は大変だけどやりがいもあり、さらに子どもの成長ってこんなにも嬉しいものなんだと感じました。来年もまた参加したいと思います。(福祉・健康プラン)
決して楽なボランティアではなかったし、大変だろうなと覚悟して行きましたが、それでも大変さ・難しさを実感させられました。はじめましての子どもたちばかりで、この子はどんな子だろうと探りながら始まりましたが、子どもたちがやってきた瞬間からくつを脱がせたり、かばんの中身を出したり、できないことを言い訳にできない状況で、いかに先生たちと同じスピードでやってもらうのか、すごく頭を使いました。遊んでいて楽しいと思ってくれていることは子どもの表情でよくわかったし、言葉は話せなくても行動で示してくれて、コミュニケーションのとりかたはあまり困らなかったです。泣いている子を先生がサポートして笑顔にしている場面があって、そんなところがこの仕事のやりがいなのかなと思いました。(福祉・健康プラン)
今まではあまり障がいのある小さな子と関わることはなかったので、この機会に挑戦してみようと思って参加しました。実際に子どもたちと関わってみると、楽しさももちろんあったけれど、大変なことも多くて、実際に体験してみないと毎日の仕事として障がいのある子と関わる大変さはわからないなと感じました。2日目はこどもひろばの活動に参加し、まだ生まれて数カ月の子だったり、1歳・2歳などさまざまな年齢の子が来るため、一人一人に合った対応をするのはとても大変でした。子どもたちに楽しい時間を過ごしてもらえるように、一緒にボランティアをしていた友達と協力して、とてもよい経験ができ、素敵な時間だったと思います。
障がいのある子は全てを喜んで受け入れてくれるわけではなく、思い通りにならないことがあると、なかなか次のことにすんなり進めないこともあるから、次のことに楽しく取り組めるようにするのも保育者の大切な仕事だと感じました。子どもたちは親から離れて来ているので不安なことも多いと思います。不安を取り除いてあげることも保育者には必要な力だと思いました。(保育プラン)
私はこの活動に昨年度も参加し、今年で2回目の参加になりましたが、昨年より自分が成長できたと思う。そう思った理由は、ひまわりで子どもを笑顔にしてあげることができたからだ。私が伝えたいことが伝わらなかったり、逆に子どもが私に伝えようとしていることを読み取れなかったりと、うまくコミュニケーションが成り立たないこともある中、あることがきっかけで笑ってくれた時があった。何がきっかけで笑顔を引き出せるのかわからないけど、会話が成り立たないからって諦めるのではなく、子どもの様子を見ながら積極的に傍についたり、声をかけたりしてコミュニケーションをとろうとすることが大事だと思った。昨年度は声をかけることが少なかったけれど、今回はたくさん声をかけることができて、子どもたちとつながることができたように感じた。
発達障がいがあるなどは関係なくどの子どもにも共通することや、逆に共通しないこともあるが、一人の子どもであることには変わりないので、一人一人の個性や特徴を観察・把握して、どう関わるべきか、子どもの個性をどう生かすか考える必要があると思った。(保育プラン)
発達障がいのある子どもと関わる経験は、とても貴重で学びが多いものだと思います。子どもたち一人一人が異なる特性やニーズを持っており、それに応じた対応をすることが重要だと学ぶことができました。例えば、コミュニケーションが苦手な子もいれば、特定の刺激に対して敏感な子もいるので、そういった個々の特性を理解し、柔軟に対応することで信頼関係を築くことができると知りました。また、子どもたちが少しずつ自分のペースで成長していく姿を見守ることができることは、とてもやりがいを感じるのだろうと思いました。その一方で対応が難しく感じる場面もあり、自分の対応や接し方をふりかえるきっかけにもなりました。もっとも大切なのは、子どもたちに寄り添い、彼らの声に耳を傾けることだと感じました。彼らのことを知ることができた喜びと同時に、自分自身も学び、成長できる機会となりました。(保育プラン)
この様子は、夢風-YUMEKAZE-第147号に掲載されております。ご覧ください。