豊田市こども発達センター交流活動

 今年度も、夏休み期間中の14日間、医療・相談・保育などの総合的な療育施設である豊田市こども発達センターでの交流活動が行われました。参加したのは、保育・福祉・看護医療・教員など特別支援教育への進路を希望する2・3年生の希望生徒79名です。この活動は、生徒たちが発達に支援が必要な子どもやその支援の現状を学んで理解を深め、また、センターの役割や職員の仕事を知り、自身の進路を考える貴重な機会となっています。   

「ひまわり」は、ことばや対人関係の発達に支援の必要な就学前の子どもたちが通園しており、生徒たちは一人ずつクラスに入り、子どもたちの身支度や着替えのお世話、室内遊びや水遊びを一緒に行いました。慣れない場所での活動で、最初は不安を抱えていた生徒たちも、支援員の方の丁寧な助言のおかげで充実した時間を過ごすことができました。また、療育に訪れる子どもたちの兄弟姉妹を預かる「こども広場」では、まだ1歳にも満たない小さな赤ちゃんを抱っこしたり、遊び相手となったり、おやつのお世話やおむつ交換をしたりしました。こども広場に来ているボランティアの方たちとの会話も、生徒たちにはとても有意義なものとなりました。また、身体や手足の運動機能の発達に支援が必要な子どもたちが通園する「たんぽぽ」の夏祭りのお手伝いにも参加しました。子どもたちが楽しめるような工夫があちこちに見られ、生徒たちは支援員の方の愛情あふれる子どもたちとの関わり方を、直接学ぶことができました。
 活動後に、希望生徒は診療部門である「のぞみ診療所」の見学もさせていただきました。看護師さんの案内で、日頃見ることの少ない小児歯科や心理療法などを行う部屋を見せていただき、さまざまな形で子どもや保護者の支援を行う体制が整えられていることを学びました。

以下、参加した生徒の感想です。

 今回初めて「ひまわり」での活動に参加して、自分の進路を考える良い経験になったなと感じました。ひまわりでの活動は、私が将来やりたいと思っている児童指導員という職業に近く、障がいのある子どもたちと触れ合ってたくさんのことを学ぶことができました。自分のやりたいことと似ていたので、とても大きな理想を抱いて参加しましたが、実際に動いてみて「こんなに上手くいかないんだ」と感じることもあり、やはり想像だけでは知ることのできなかった体験をすることができて、とても良かったです。また、先生方のしぐさや話し方から学んだことも多くあり、新しい発見もできました。働くということは楽しいだけでなく、上手くいかないことも多いとわかりました。自分の中で本当にやりたいことを、残りの高校生活で確かめられるように今一度見直したいと思ったし、この経験を進路につなげていこうと思いました。(福祉・健康プラン、2年)

 新たな発見や学びの多い2日間だった。そして改めて先生方の対応の速さ、的確さ、優しさを実感した。朝の支度は、走り回る子どもたちと一緒にかばんの中を整理しようとしたのだが、なかなか気を引けなくて手間取った。先生のサポートとアドバイスのおかげで、何とか時間には間に合った。今回の活動でいちばん迷ったのが、どこまで自分が手伝った方がよいのかの線引きで、手助けの割合が少なすぎてももたついてしまったり、自分が手をかけすぎて成長のチャンスを奪ってしまったのでは、と思ったりすることがあった。そんなバランスのとり方も、サラッとやりとげてしまう先生方がとても頼もしかった。また、外国籍の子もいて、タイミングによっては通訳さんが翻訳してくれるが、いない時の意思疎通が特に難しかった。水遊びの時に、一緒に遊んでいた子の行動のくせを見つけた時は少しうれしかった。また、自分にとてもなついてくれて可愛かった。「かわいい」「えらい」「上手」という言葉がたくさん飛び交う素敵な場所だった。(文プラン、2年)

 去年も参加させていただいたので、学んだことを活かすことができたなといちばんに感じました。自閉症の子どもたちは、私たちに思いを伝えることが得意ではなく、言葉のキャッチボールは思うようにいきませんが、一緒に物を持って指で「ここだよ!」と示して自分で中に入れることができたり、できるという部分までサポートすると一人でできることもたくさんあり、できる、の瞬間はとても嬉しい気持ちになりました。サポートの仕方や、サポートをどれぐらいするかを考えることの重要性を感じました。一緒にやること、できるまでたどり着けるようにサポートすることの大切さがわかりました。先生方は伝わるまでしっかり目を見て話しかけたり、クラス全体を見渡して、その時に必要なことをそれぞれができるように、行動や声のかけ方も場によって変えるなどしていると気づきました。(保育プラン、3年)

 たった半日子どもたちと関わっただけでとても疲れてしまい、毎日保育士さんがどれほど大変な仕事をしているかがよくわかりました。発達障がいのある子どもたちは、ずっと椅子に座っていることが難しかったり、上手くコミュニケーションがとれないことが多かったのですが、それでも自分で着替えを頑張ったり、荷物を片付けられたりと、できることもあって、それを伸ばし、できることを増やすのが保育なのだと学びました。センターにいる子どもたちは、嫌なことがあると泣いてしまったりすることもありましたが、笑顔で過ごしている印象が強かったです。読み聞かせの時は座って聞けるようにサポートしたりしながらも、遊ぶときは自由にさせて、危ないときだけ止める、というやり方だったので、子どももすくすく成長できるのかなと思いました。食事について職員さんにお聞きすると、「偏食の子が多いから、少しだけでも食べられるような工夫をしている」とのことで、できないことを全くやらないわけでも、ムリにやらせるわけでもなく、多くの工夫がされているのだと知ることができました。子どもによって嚥下能力が違うので、同じ材料でも切り方の工夫をしたり、とろみをつけたりしていると聞き、給食の配膳トレーを見ると、魚一つでもほぐし方などがかなり違っていました。また「一ペロ」をするらしく、苦手なものでもほんの少しだけでも食べられたらOKという方法があると知りました。子どもへのストレスをなるべく抑えながらも苦手なものにチャレンジしてもらう姿勢ならば、食事がストレスになってしまう子も減らせるのかなと感じました。(調理・栄養プラン、3年)

 こども発達センターの活動と診療所の見学を通して、子ども一人一人の発達段階や障がいの特性に合わせて、さまざまな支援が行われていることを知りました。また、医師や看護師だけでなく、多くの専門職が連携して、子どもたちを支えていることがわかりました。診療所でも、診察だけでなく子どもの発達に合わせた個別療法などが行われており、医療と療育が連携していることが印象に残りました。実際に身体障がいのある子どもと接した時には、一人一人できることや身体の動かし方が異なるため、その子どものペースに合わせて関わることが大切だと感じました。できないことをすぐ手伝うのではなく、本人ができることを見守りながら必要な時に支援することが大切だと学びました。子どもとの関わりでは、言葉だけでなく表情や動きなどから気持ちを読み続けることも重要だと感じました。ひまわりの子どもと関わった際には、得意なこと・苦手なこと・興味を持つものが一人一人違うことを実感しました。子どもが安心して過ごせるように分かりやすい声掛けや環境づくりをすることが大切だと感じました。今回の経験を通して、それぞれの子どもに合わせた関わり方を考えられるようになりたいと思いました。また、家族の気持ちにも寄り添い、多種類の職業と連携しながら支援することの大切さも忘れないようにしたいです。(看護プラン、3年)