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第10回矢作川森の健康診断に参加しました

 矢作川水源の森が泣いています。緑豊かに見える森も,手入れされていないスギやヒノキの人工林では光が入らないため植物や生物の育たない「緑の砂漠」が広がっています。緑の砂漠は土砂崩れが心配です。めったに立ち入ることのない矢作川水源の人工林に出かけて「森の健康診断」を一緒にやりませんか?(以上,矢作川森の健康診断実行委員会チラシより)
 豊田東高校は矢作川の河畔にある学校です。平成12(2000)年に起こった「東海豪雨」のとき水没した地域に校舎が建っています(当時の豊田東高校は七州台の地にあり,難を逃れました)。矢作川水源の森がどのような状態になっているのかは,私たちにとって決して他人事ではありません。
 豊田東高校では,間伐遅れの人工林をテーマにした野外調査を,SPP(サイエンス・パートナーシップ・プログラム)を活用して毎年実施しています(右写真)。昨年度からは,本家本元の「矢作川森の健康診断」にもボランティアで参加し始めました。
 この活動は毎年6月の第1土曜日に実施されているもので,矢作川流域圏で活動する森林ボランティア,大学等の研究者,行政が協働する市民活動です。矢作川流域の市民はもちろん,全国各地から多くの有志が集まり,「楽しく,かつちょっぴり科学的に」をモットーに活動しています。
 昨年度(平成25年度)の第9回「矢作川森の健康診断」には,校長をはじめ,理科の教員,SPPで森の健康診断を経験した生徒,その生徒の発表を聞いて興味をもった生徒など,10名のメンバーがボランティアで参加しました。
 第10回でひとまず「区切り」をつける矢作川森の健康診断にぜひ今年度(平成26年度)も! と意気込んでいたのですが,今年の6月第1土曜日(6/7)は,あいにく学校祭の直前。各クラスが準備をするために登校する「学校開放日」と重なってしまいました。現役の生徒は誘いづらい状況だったので,「卒業生」に声をかけたところ,LINEなどでつながった生徒がするすると5名集まりました。参加したい意志はあっても,大学の講義があって参加できなかったメンバーも何人かいます。卒業した後も,ためらいもなくこのような活動に参加できる豊田東卒業生に,キャリア教育の真髄を見ました。
 第10回矢作川森の健康診断には,卒業生5名と教員2名の計7名が参加させていただきました(右写真)。高校時代に森林調査をやった経験のある卒業生たちは,各調査グループで大活躍。世代の違う方々との対話も楽しみながら,有意義な時間を過ごしました。中には高校時代にお世話になった森の名手(矢作川森林ボランティア協議会のおじさま)や山主さんと再会する者もあり,会場は温かい雰囲気に包まれました。
 今年の矢作川森の健康診断に参加した卒業生たちは,看護・医療系の大学・専門学校に進学した生徒が多かったです。農学や生態学など必ずしも森林と深く関わる分野ではありませんが,「森の健康診断」で育んだ自然へのやさしいまなざしは,ひとと向き合うときにもきっと生かされるはず。卒業生たちの未来がとても楽しみです。

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